2026/04/30
この記事の監修者

中原 優介
独立開業を目指すバーテンダーにとって、内装デザインは自分の理想を形にする最も重要なステップです。
しかし、限られた予算の中で「隠れ家のような高級感」や「プロならではの使い勝手」を両立させるのは、決して容易ではありません。
特にバーの主役であるカウンター周りは、数センチの差が「素人っぽさ」と「プロの風格」を分けるポイントになります。
そこで本記事では、どんな規模の店舗でも通用する、バーテンダーの作業効率とゲストの満足度を最大化させるデザインのコツを解説します。
店舗デザイン・設計施工の株式会社nero
neroは、店舗・オフィス・住宅など多様な空間を対象に、企画設計から施工、ブランディング、販促・Web・SNSまで一貫して手掛ける空間プロデュース会社です。ブランドの世界観を空間に反映し、集客や繁盛店づくりを支援。社名には「信念を持ち社会貢献する」という想いが込められています。
目次
バーの内装設計では、ターゲットとする客層や提供するお酒のスタイルに合わせて、使用する素材や色の方向性を絞り込むことが重要です。
大人が一人で静かにお酒を楽しむオーセンティックバーなら、重厚感のあるダークトーンの木材をメインにするのが王道です。
カウンターの天板に無垢材を使ったり、壁面の一部に石材やレザーを取り入れたりすることで、落ち着きと高級感を演出できます。
若年層やグループ客も気軽に立ち寄れるコンセプトなら、コンクリート打ち放しやアイアン(鉄部)を活かしたモダンなスタイルが効果的です。
素材の質感を剥き出しにすることで、開放的な雰囲気をつくり出しつつ、スタイリッシュな印象を与えられます。
バーの「顔」であるカウンターは、ゲストの居心地とバーテンダーの作業効率を左右する最も重要なエリアです。
ゲストがハイチェアに座り、肩の力を抜いてリラックスできるカウンターの高さは「約100cm〜105cm」が一般的です。
また、奥行きは「約45cm〜60cm」を確保しましょう。
これは、カクテルグラスを置いた際にゲストが窮屈に感じず、かつバーテンダーがスムーズに提供できる絶妙な距離感となります。
ボトル棚はお酒のラベルを美しく見せる「舞台」です。
取り出しやすさを考慮し、手の届く範囲に頻度の高いボトルを配置できるよう、棚のピッチを設計します。
また、大量のボトルは想像以上に重いため、棚板の耐荷重には十分な配慮が必要です。
照明を制する者は、バーの内装を制します。
空間の広さを問わず活用できる、照明による視覚効果を随所に散りばめ、特別な空間を演出しましょう。
バックカウンターの棚裏や足元に隠し照明を配置するだけで、空間に奥行きとムードが生まれます。
オーセンティックな店なら照度を極限まで絞った暖色系で落ち着きを、カジュアルな店なら少し明るめの設定で会話を弾ませるなど、コンセプトに応じた色温度の設計が「非日常」をつくり出します。
バックカウンターの奥に鏡を配置する手法は、バー空間で非常に有効です。
並んだボトルの背面に奥行きが出るだけでなく、空間全体を広く、華やかに見せる効果があり、高級感を高める演出として多くのバーで採用されています。
バーだけでなくすべての店舗に言えることですが、開業の予定を立てた段階で、きちんと物件の費用や内装費用などの「予算配分の優先順位」を明確にしておくことが大切です。
スケルトン物件と居抜き物件の坪単価の相場は、以下の通りです。
| スケルトン物件からの工事: 坪30万円〜80万円 居抜き物件: 坪15万円〜40万円 |
しかし、これはあくまでも相場であり、希望の内装設計によっては坪単価80万円を超えるケース(スケルトン物件の場合)も少なくありません。
特にバーは給排水設備やカウンターの造作費用が大きくなるため、飲食業の中でも坪単価が高くなりやすい傾向にあります。
予算が限られている場合は、ゲストの視線が最も滞在する「カウンター天板」や「正面のボトル棚」にコストを集中させましょう。
一方で、ゲストの目に触れにくい厨房の内側や、奥まった壁面などはシンプルな素材に抑えることで、全体のクオリティを維持しながらコストダウンが図れます。
こだわりを形にした、バーの内装施工事例をご紹介します。

「十人十色の人々が出会い、繋がる場所にしたい」というオーナー様の熱い想いを、異形状の壁がダイナミックに交差し重なり合うデザインで抽象的に表現。
扉を開けた瞬間に広がる非日常的な視覚演出は、ゲストの期待感を高め、これから始まる「一期一会の時間」を象徴する特別な空間となっています。

一歩店内へ足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは横幅2mの圧倒的な存在感を放つ大型水槽です。
色とりどりの鮮やかな熱帯魚たちがゲストを優雅にお迎えし、都会の喧騒を忘れさせるアクアリウムの癒やしと、お酒を楽しむための幻想的な非日常空間を完璧に融合させています。

バーの主役となるのは、存在感溢れる6.8mのロングカウンター。
美しい石目の天板と、ボトルの輝きを引き立てる緻密なライティングを組み合わせることで、どの席に座ってもバーテンダーの所作を特等席で愉しめる、贅沢な動線と視覚効果を両立させています。

ゆったりと配置されたテーブル席は、鮮やかなイエローのソファをアクセントに、会話を妨げないやわらかなライティングで構成されています。

特別なゲストを迎えるVIPルームには、温かみのあるオーク材、空間に深みを与えるブロンズミラー、そして重厚な石材を贅沢に採用。
異素材を巧みに組み合わせることで、閉鎖感を感じさせない開放的な広がりと、邸宅のような落ち着きを兼ね備えた「大人の隠れ家」を演出しています。
理想のバーを実現するためには、単に綺麗な内装を目指すのではなく、バーテンダーとしてのオペレーションと、ゲストが求める非日常感をいかに一つの空間に落とし込めるかが鍵となります。
設計から施工まで一貫して管理でき、細かな仕様変更にも柔軟に対応してくれるパートナーを選ぶことで、スピード感を持って理想の店づくりが進められます。
現場の状況を熟知し、使い勝手と美しさを両立できるプロの知見を借りながら、投資対効果の高い素材選びや動線計画を練り上げてください。
オーナー様の想いと同じ熱量で向き合い、長く付き合っていける誠実なビジネスパートナーと共に、最高の一杯を提供できる店をつくり上げましょう。
弊社では、コンセプトやブランディングの意図を踏まえたデザイン提案と、一貫したプロジェクト管理により、スピードと品質の両立を支援しています。
また、現場視点の設計とコストマネジメントを通じて、投資対効果の高い店舗づくりをご提案しています。
店舗デザイン・設計施工の株式会社nero
neroは、店舗・オフィス・住宅など多様な空間を対象に、企画設計から施工、ブランディング、販促・Web・SNSまで一貫して手掛ける空間プロデュース会社です。ブランドの世界観を空間に反映し、集客や繁盛店づくりを支援。社名には「信念を持ち社会貢献する」という想いが込められています。
この記事の監修者

中原 優介