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グリストラップの設置費用はいくら?費用相場とコストカットの方法、見積もりで確認したいポイントを解説

2026/10/09

この記事の監修者

中原 優介

中原 優介

株式会社nero 代表。 福岡・東京エリアを中心に店舗デザイン・空間設計のプロフェッショナルとして美容院や飲食店、オフィスなど全国の多様な空間をプロデュース。 洗練されたデザインと実用性を兼ね備えた「価値ある空間」を追求し、ジャンルを問わず幅広い分野でクリエイティブな提案を行っている。

物件が決まり、内装業者や厨房設備業者との打ち合わせが始まったときに「飲食店の開業にはグリストラップの設置が必要」だと知るケースは少なくありません。

グリストラップの設置には本体価格だけでなく、配管工事や床の掘削、既存設備の撤去などの工事費もかかるため、最終的な費用が見えにくい傾向にあります。

屋内か屋外か、床置きか埋設かといった設置方法によっても金額は大きく変わり、開業予算にどの程度組み込めばよいか判断に迷うこともあるでしょう。

本記事では、グリストラップの役割をはじめ、種類別の設置費用の相場、費用を左右するポイント、新設と交換の違い、費用を抑える方法、見積もりで確認したいポイントまで解説します。

 

店舗デザイン・設計施工の株式会社nero

neroは、店舗・オフィス・住宅など多様な空間を対象に、企画設計から施工、ブランディング、販促・Web・SNSまで一貫して手掛ける空間プロデュース会社です。ブランドの世界観を空間に反映し、集客や繁盛店づくりを支援。社名には「信念を持ち社会貢献する」という想いが込められています。

グリストラップとは?飲食店に必要な理由

設置費用を考える前に、まずはグリストラップがどのような設備で、なぜ飲食店に必要なのかを押さえましょう。

役割や設置のルールを理解することで、業者との打ち合わせを進めやすくなります。

 

グリストラップ(油脂分離阻集器)とは

グリストラップは、厨房の排水に含まれる油脂や残飯、野菜くずなどを捕集する設備です。

厨房のシンクなどから流れた排水が一時的にグリストラップに溜められ、油脂やごみを分離したうえで下水道へ流れる仕組みになっています。

厨房からの油脂を処理せずに下水へ流すと、店舗内の排水管が詰まり、衛生環境の悪化を招きかねません。

さらに、流出した油脂が冷えて固まることで下水道管の機能を阻害し、大雨の際には河川や海洋へ流れ出して環境汚染を引き起こすおそれもあります。

グリストラップはこうしたトラブルやリスクを防ぎ、排水管の詰まりや悪臭の発生を抑える役割を担っています。

 

飲食店ではグリストラップの設置が必要

グリストラップは「グリース阻集器」とも呼ばれ、下水道法や各自治体の下水道条例によって、油脂を多く使う飲食店などの厨房への設置が定められています。

たとえば、東京都では「下水道条例施行規程」や「阻集器に関する取扱要綱」で設置基準が定められています。

なお、申請の手続きや施工できる指定工事店などのルールは自治体によって異なります。

開業する地域の基準を、事前に自治体や業者へ確認しておきましょう。

 

グリストラップを設置しない・管理しないとどうなる?

グリストラップを設置していない、あるいは清掃されていない状態では、油脂が排水管の中で固まり、詰まりを引き起こします。

これは排水の逆流や悪臭、ゴキブリなどの害虫の発生にもつながり、店舗の衛生環境が悪化します。

また、下水道へ流れた油脂は下水道管を詰まらせ、大雨の際には河川や海へ流出するおそれもあります。

もし排水トラブルが起きれば、営業を一時的に止めざるを得ないこともあります。

また、設置と日々の清掃を怠ると、配管の高圧洗浄や修繕など、余計な費用がかかる可能性がある点にも注意が必要です。

 

グリストラップの設置費用は?種類で変わる費用相場

グリストラップの設置費用は、種類や設置場所(屋内か屋外か、床置きか埋設か)によって変わります。

また、予算を考える際は本体価格だけでなく、配管工事費、床や地面の掘削費、コンクリート工事費、人件費・諸経費、既存設備の撤去費用といった設置工事費まで含めて考える必要があります。

 

屋内床置き型

屋内床置き型は、厨房の床の上にそのまま設置するタイプです。

大掛かりな工事を抑えやすく、改装や小規模な店舗でも導入しやすいのが特徴です。

一方で、床の上に本体が置かれるため、限られた厨房スペースではスタッフの動線に影響が及ぶことがあります。

また小さめの容量が中心となるため、油を多く使う業態には向かない場合があります。

設置費用の相場は10〜30万円程度です(条件によって上振れする場合があります)。

 

屋内埋設型

屋内埋設型は、厨房の床下に埋め込むタイプです。

床の上を占有しないため、厨房内のスペースを有効活用しやすくなります。

ただし、設置には床の解体や掘削、防水工事が必要になる場合があり、床置き型よりも費用は高くなります。

設置費用の相場は30〜100万円程度です(条件によって上振れする場合があります)。

 

屋外埋設型

屋外埋設型は、建物の外の地中に埋設するタイプです。

本体サイズを大きく確保しやすいため、大容量のグリストラップが必要な中〜大規模の飲食店にも対応しやすくなります。

一方で、地面の掘削や基礎工事、厨房からの配管延長、土間・コンクリートの復旧工事が必要になるため、費用は高くなる傾向にあります。

設置費用の相場は50〜150万円程度です(条件によって上振れする場合があります)。

 

FRP製・ステンレス製など素材でも価格が変わる

グリストラップは、本体の素材によっても価格や特徴が異なります。

たとえば、FRP製はお風呂の浴槽と同じ素材で、軽量で腐食しにくく、素材のなかでは特に安価です。

ただし熱に弱く、傷がつきやすい面もあります。

ステンレス製は、錆びにくく熱にも比較的強い素材です。

FRP製より高価ですが、耐久性が高く長く使えるため、大型商業施設や大規模な飲食店で採用されています。

コンクリート製は、地面に穴を掘ってモルタルを流し込むオーダーメイド型です。

大きさや形を自由に設計でき、コストを抑えられるケースもありますが、屋外の広いスペースが必要です。

素材は価格だけで決めず、店舗の規模や設置環境に合わせて選ぶことが大切です。

 

グリストラップの設置費用を左右する5つのポイント

同じ種類のグリストラップでも、店舗の条件によって最終的な設置費用は変わります。

見積もりの金額を正しく読み取るためにも、費用を左右する5つのポイントを把握しておきましょう。

 

1.グリストラップの容量

グリストラップは、容量が大きくなるほど本体価格や設置費用も上がりやすくなります。

ただし、だからと言って容量が小さければよいわけではありません。

容量が小さすぎると油脂が浮き上がる前に排水が流出口へ到達し、油脂を十分に分離できません。

また短期間で満杯になって清掃の回数が増えたり、排水管の詰まりが頻発したりする原因にもなります。

一方で、容量が大きければよいわけでもありません。

過大な容量は設置スペースや工事費が増えるだけでなく、蓋の枚数や清掃範囲も広がります。

グリストラップの容量は、業種や利用人数、厨房の使用水量などをもとに算定することが重要です。

 

2.設置場所

厨房内か屋外か、床置きか床下埋設かによって、必要な工事の内容と設置費用は異なります。

どこに設置するか悩んだら、厨房の広さや予算を考慮して決めるとよいでしょう。

また、グリストラップは日々の清掃が欠かせない設備です。

蓋を持ち上げられる空間や、バスケットを真上に引き上げられる高さなど、清掃・点検しやすい場所かどうかも設置場所を選ぶうえでのポイントになります。

 

3.既存の排水管・給排水設備の状態

既存の配管をそのまま利用できるかどうかも、設置費用を左右します。

排水管には水が自然に流れる勾配が必要で、配管の位置や床の高さによっては必要な勾配を確保できないこともあります。

その場合は、配管の新設・移設や床のはつり工事が必要になり、その分費用が上乗せされます。

 

4.掘削・解体工事の有無

床を壊してグリストラップを埋設する場合や、屋外の地面を掘削する場合は、本体の設置費用に加えて解体・掘削の費用がかかります。

さらに、設置後には床や地面を元の状態に戻すコンクリート復旧などの工事も必要になります。

こうした工事の有無が、床置き型と埋設型の費用差につながっています。

 

5.店舗の業態・規模

店舗の業態によって、排水に含まれる油脂の量は異なります。

たとえば、ドリンクや軽食が中心のカフェは、同じ面積でも油脂の排出量が比較的少ない業態です。

居酒屋や定食店は提供するメニューによって油脂の量が変わり、揚げ物を多く扱う場合は注意が必要です。

ラーメン店や中華料理店、焼肉店、揚げ物店などは、油脂の排出量が多い業態です。

油脂が多い業態ほど大きな容量のグリストラップが必要になり、設置費用も高くなりやすいといえます。

 

新設と交換ではグリストラップの設置費用が違う

グリストラップの設置費用は、何もない状態から新しく設置するのか、既存のものを交換するのかによっても異なります。

物件の状況によって必要な工事が変わるため、それぞれのケースでかかる費用を確認しておきましょう。

 

新しくグリストラップを設置する場合

新設の場合は、グリストラップ本体の費用に加えて、配管工事や床の解体・掘削などの工事費が必要です。

床工事や排水管の整備まで含めると、100万円以上を見込むケースもあります。

特に、既存の排水設備との接続状況は費用を大きく左右します。

既存の建物に後から設置する場合は、配管ルートの変更などで追加の工事費が発生することがあります。

 

既存グリストラップを交換する場合

既存グリストラップを交換する場合は、基本的に既存設備の撤去費、新しい本体の費用、既存配管との接続工事費がかかります。

ただし、同じ場所・同程度のサイズで交換できれば、掘削や配管の工事を削減できる可能性があり、その分費用も抑えることができます。

 

居抜き物件なら設置費用を抑えられる可能性がある

前のテナントが飲食店だった居抜き物件では、既存のグリストラップをそのまま利用できる場合があり、新設にかかる工事費を抑えられます。

ただし、既存のグリストラップの容量や性能が、新しい店舗の業態や規模に合っているとは限りません。

前テナントがカフェで、新しくラーメン店を開く場合などは、容量が不足する可能性があります。

また、本体の劣化や破損、配管の詰まり、臭気などの状態も確認が必要です。

「付いているからそのまま使える」とは限らないため、契約前に業者へ現地確認を依頼すると安心です。

 

グリストラップの設置費用を抑える4つの方法

グリストラップの設置費用は、物件選びや業者への依頼の仕方によって抑えられる場合があります。

開業予算を有効に使うためにも、準備段階で取り組める4つの方法をご紹介します。

 

1.居抜き物件で既存設備を活用する

既存のグリストラップがある居抜き物件では、新設工事を省ける場合があります。

その際は、既存設備の状態に加え、容量や性能が自店の業態に合うかを必ず確認しましょう。

 

2.物件契約前に排水設備を確認する

物件を契約する前に、グリストラップの有無や設置場所、容量、排水管の位置を確認しておくと、必要な工事と費用の見通しを立てやすくなります。

排水管の位置は、シンクや食洗機などをどこに配置できるかにも影響します。

希望する厨房レイアウトとの相性もあわせて確認しておきましょう。

 

3.複数社から見積もりを取る

複数の業者から見積もりを取ることも、設置費用を抑える方法の一つです。

のちに比較しやすいよう、見積もりは本体価格だけでなく工事範囲もそろえて取るようにしましょう。

「一式」とだけ記載された項目は内訳を確認し、追加工事が発生する条件もあわせて確認しておくと、より詳細な比較ができます。

 

4.店舗の内装工事とまとめて相談する

グリストラップの設置は、給排水工事や厨房レイアウト、床の仕上げ工事と密接に関わります。

内装工事とまとめて相談することで、床・壁・設備工事との工程を調整しやすくなり、別々に依頼するよりも工事全体と費用を把握しやすくなります。

また、床を一度仕上げたあとに再び解体するといった二度手間も防げます。

 

グリストラップの見積もりで確認したいポイント

グリストラップの設置工事を始めてから、追加工事が必要になることもあります。

予算超過を防ぐためには、見積もりを受け取った際に以下のポイントを確認しておくことが大切です。

 

本体価格と工事費が分けて記載されているか

グリストラップの本体価格と設置費用が、明確に分けて記載されているかを確認します。

「一式」とだけ書かれている場合は、具体的な内訳を業者に確認しましょう。

複数社の見積もりを比較する場合も、本体価格と工事費を分けて見ると、金額差がどこから生まれているのかを把握しやすくなります。

 

配管・掘削・解体・復旧費が含まれているか

グリストラップまでの給排水配管工事や、床・地面の掘削費用が見積もりに含まれているかを確認します。

既存の床やコンクリートを解体する場合はその費用が、設置後に床や地面を元に戻す場合は復旧工事の費用が含まれているかもあわせて確かめておきましょう。

 

既存設備の撤去・処分費が含まれているか

交換や移設の場合は、既存のグリストラップを撤去する費用が含まれているかを確認します。

撤去した設備や廃材の処分費が別途扱いになっていないかも見落とせません。

既存配管の撤去や補修が必要な場合は、その費用が見積もりに反映されているかも確認しておきましょう。

 

追加工事が発生する条件を確認する

床や地面を解体して初めて、既存配管の劣化や破損が見つかることもあります。

また、想定より掘削範囲が広くなるケースも少なくありません。これらの場合に追加費用が発生するのかを事前に確認しましょう。

加えて、電気や給排水設備など、当初の見積もりに含まれていない工事がないかも確認が必要です。

追加工事が必要になった場合に、事前に説明と承認を得てから進めてもらえるかも、契約前に確かめておきましょう。

 

グリストラップの設置は「費用」だけでなく「店舗全体の排水計画」で考える

グリストラップの設置費用は、屋内床置き型なら10〜30万円程度、屋外埋設型では50〜150万円程度と、種類や設置方法によって大きく異なります。

本体価格だけでなく、配管や掘削、復旧、既存設備の撤去まで含めた総額で予算を考えておきましょう。

また、費用を抑えることだけを優先して容量を小さくすると、開業後に排水管の詰まりや清掃回数の増加といったトラブルにつながります。

グリストラップは単体の設備としてではなく、厨房レイアウトや給排水工事を含む「店舗全体の排水計画」のなかで検討することが重要です。

業態や規模に合った容量と設置方法を選び、内装工事と一体で計画を進めることで、無駄のない費用で開業後も安心して営業できる厨房をつくれます。

弊社では、飲食店のコンセプト設計から内装デザイン、設計・施工までを一貫してサポートしています。

厨房レイアウトや給排水設備を含め、開業後の運営まで見据えた店舗づくりをご提案いたします。

飲食店の新規開業や厨房設備を含む内装工事をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

店舗デザイン・設計施工の株式会社nero

neroは、店舗・オフィス・住宅など多様な空間を対象に、企画設計から施工、ブランディング、販促・Web・SNSまで一貫して手掛ける空間プロデュース会社です。ブランドの世界観を空間に反映し、集客や繁盛店づくりを支援。社名には「信念を持ち社会貢献する」という想いが込められています。

この記事の監修者

中原 優介

中原 優介

株式会社nero 代表。 福岡・東京エリアを中心に店舗デザイン・空間設計のプロフェッショナルとして美容院や飲食店、オフィスなど全国の多様な空間をプロデュース。 洗練されたデザインと実用性を兼ね備えた「価値ある空間」を追求し、ジャンルを問わず幅広い分野でクリエイティブな提案を行っている。

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