2026/07/01
この記事の監修者

中原 優介
飲食店のカウンターは、業態やコンセプトによって求められる役割が大きく異なります。
形状や素材、照明計画によって空間の印象や顧客体験も変化するため、店舗づくりにおいて重要な検討ポイントの一つです。
本記事では、飲食店のカウンターデザインを考える際の設計ポイントや業態別の考え方、施工事例をご紹介します。
店舗デザイン・設計施工の株式会社nero
neroは、店舗・オフィス・住宅など多様な空間を対象に、企画設計から施工、ブランディング、販促・Web・SNSまで一貫して手掛ける空間プロデュース会社です。ブランドの世界観を空間に反映し、集客や繁盛店づくりを支援。社名には「信念を持ち社会貢献する」という想いが込められています。
目次
飲食店のカウンターは来店したお客様が最初に目にする場所であり、店舗の雰囲気やコンセプトを伝える重要な役割を担っています。
特に近年は、料理やサービスだけでなく、店舗で過ごす時間そのものが価値として求められる傾向があります。
そのため、カウンターデザインにおいても見た目の美しさだけでなく、どのような体験を提供したいのかという視点が重要です。
飲食店では、カウンターが店舗全体の印象を左右する重要な要素となります。
特にバーや寿司店、焼鳥店、カフェなどでは、カウンターそのものが店舗の象徴的な存在となるケースも少なくありません。
例えば、無垢材を使用したカウンターであれば温かみのある雰囲気を演出しやすく、石材や金属素材を取り入れることで洗練された印象を与えることができます。
また、照明の当て方や客席との距離感によっても空間の印象は大きく変化します。
そのため、カウンターは単なる設備として考えるのではなく、店舗コンセプトやブランドイメージを表現する空間として設計することが重要です。
カウンターデザインに求められる要素は、業態やターゲットによって異なります。
例えば、回転率を重視する店舗と、ゆっくり食事や会話を楽しんでもらいたい店舗では、適したレイアウトや席間設計も変わります。
また、オープンキッチンによるライブ感を魅力とする業態もあれば、落ち着いた空間でゆったりと過ごせることを価値とする業態もあります。
カウンターの高さや形状、席間の取り方なども、どのような時間を提供したいかによって検討する必要があります。
デザインを考える際は見た目だけでなく、「お客様にどのような体験を提供したいのか」という視点から設計を進めることが大切です。
カウンターは店舗の顔となる一方で、日々の営業を支える重要な設備でもあります。
デザイン性を重視することは大切ですが、実際の運営を考慮しなければ営業効率の低下に繋がる可能性があります。
例えば、スタッフ動線が長くなれば配膳や片付けの負担が増え、接客品質にも影響する場合があります。
また、収納スペースや設備配置が不十分だと、営業中の作業効率が低下することも考えられます。
そのため、飲食店のカウンターデザインでは見た目の美しさだけでなく、スタッフの働きやすさや営業オペレーションまで見据えた設計が求められます。
デザインと機能性の両方をバランスよく考えることが、長く愛される店舗づくりに繋がるでしょう。
飲食店のカウンターデザインでは、店舗コンセプトや顧客体験、営業効率まで含めて設計することが重要です。
ここでは、飲食店のカウンター空間を設計する際に押さえておきたい主なポイントをご紹介します。
カウンターにはI型・L字型・コの字型などさまざまな形状があり、それぞれ顧客との距離感や店舗の雰囲気に違いがあります。
例えば、I型カウンターは限られたスペースでも設置しやすく、スタッフと顧客が自然にコミュニケーションを取りやすいレイアウトです。
一方、L字型やコの字型は顧客同士やスタッフとの距離が近くなりやすく、ライブ感や一体感を演出しやすい特徴があります。
また、店舗面積や席数によって適したレイアウトは異なります。
デザイン性だけでなく、配膳や片付けなどのスタッフ動線も考慮しながら計画することで、接客品質や営業効率の向上にも繋がります。
カウンターは顧客が最も長く触れる場所の一つであり、素材選びは店舗の印象を大きく左右します。
木材は温かみや親しみやすさを演出しやすく、カフェや和食店などで採用されることが多くあります。
モルタルやステンレスは無機質でスタイリッシュな印象を与えやすく、バーやモダンな業態との相性が良好です。
また、石材は重厚感や高級感を演出しやすく、高単価業態で採用されるケースも見られます。
ただし、デザイン性だけでなく、耐久性やメンテナンス性、清掃のしやすさも重要な判断基準です。
営業スタイルや利用頻度を踏まえながら、空間イメージと実用性のバランスを考慮した素材選びが求められます。
照明は、カウンター空間の印象や居心地を左右する重要な要素です。
同じ内装デザインであっても、照明計画によって料理やドリンクの見え方、空間の雰囲気は大きく変化します。
例えば、間接照明を活用することで落ち着いた空間を演出しやすくなり、バーや高単価業態では非日常感を高める効果も期待できます。
また、客席側と作業側の照度バランスも重要です。
顧客には心地良い明るさを確保しながら、スタッフが安全かつ効率的に作業できる環境を整える必要があります。
空間演出と実用性の両立を意識した照明計画が求められます。
カウンターの高さや座席寸法は、顧客の滞在時間や過ごし方に大きく影響します。
カウンターは大きくハイカウンターとローカウンターに分けられます。
ハイカウンターは立体的で軽快な印象を与えやすく、バーや立ち寄り利用の多い業態など、比較的短時間の利用を想定した店舗と相性が良い傾向があります。
一方、ローカウンターは椅子に深く腰掛けやすく、落ち着いて食事や会話を楽しめるため、長時間滞在を重視する店舗で採用されることが多くあります。
また、座席幅や足元スペース、カウンター奥行きなども快適性に直結します。
特に高単価業態では、あえて席数を抑えながら余裕のある座席間隔を確保し、ゆったりとした時間を提供するケースもあります。
さらに、隣席との距離感は居心地だけでなく、店舗の回転率にも影響します。
どの程度の滞在時間を想定するのか、どのような顧客体験を提供したいのかを踏まえながら、高さや寸法を計画することが重要です。
飲食店のカウンターは、単に席を配置するための設備ではありません。
業態によって顧客が求める体験や過ごし方は異なるため、カウンターに求められる役割も変わります。
デザインやレイアウトを検討する際は、業態ごとの特性や店舗コンセプトを踏まえて設計することが重要です。
居酒屋や焼鳥店では、カウンター越しに調理風景を見せることでライブ感を演出しやすくなります。
焼き台や厨房との距離が近いことで、料理が出来上がる過程そのものが店舗の魅力となるケースも少なくありません。
また、スタッフと顧客の会話が生まれやすく、活気のある雰囲気づくりにも繋がります。
一方で、回転率が重視される業態でもあるため、配膳や片付けをスムーズに行える動線設計も重要なポイントです。
カフェや喫茶店では、ゆったりと過ごせる居心地の良さが重視される傾向があります。
そのため、木材などの温かみのある素材や落ち着いた照明計画を取り入れ、長時間滞在しやすい空間づくりが求められます。
また、一人利用のニーズも多いため、コンセントや荷物置き場を設けるなど、利用シーンを想定した配慮が満足度向上に繋がる場合があります。
寿司店や高単価業態では、カウンターそのものが店舗の価値を構成する重要な要素となります。
顧客の目の前で職人が調理する様子や所作を見せることで、特別感のある体験を提供しやすくなります。
また、無垢材や石材など素材の質感を活かしながら、余白を意識した設計が採用されることもあります。
照明計画によって料理や職人の手元を美しく見せることで、上質な空間演出にも繋がります。
バーやダイニングバーでは、非日常感やプライベート感の演出が重視される傾向があります。
カウンターの背面にあるボトル棚やディスプレイスペースまで含めてデザインすることで、店舗全体の世界観を表現しやすくなります。
また、照度を抑えた落ち着きのある空間は、会話やお酒をゆっくり楽しむ時間を演出する効果も期待できます。
業態やコンセプトに合わせて距離感や照明を調整することが、居心地の良い空間づくりに繋がります。
飲食店のカウンター設計では素材やデザインだけでなく、「顧客との距離感」をどのようにつくるかも重要なポイントです。
スタッフとの関わり方や隣席との距離、空間の開放感によって居心地は大きく変わります。
また、提供したい体験や想定する滞在時間によっても最適な設計は異なります。
そのため、店舗コンセプトや営業スタイルを踏まえながら距離感を設計することが大切です。
カウンターでは、席間隔やカウンターの奥行きによって顧客が感じる快適性が変わります。
隣席との距離が近すぎると圧迫感や落ち着かなさに繋がる一方、広すぎる場合は空間効率が低下し、店舗の収益性に影響することもあります。
また、長時間の滞在を想定する店舗では、ゆとりのある席幅や足元スペースを確保することで快適性を高めやすくなります。
一方で、回転率を重視する業態では、適度にコンパクトな設計を採用するケースもあります。
どの程度の滞在時間を想定するのかを踏まえながら、業態やターゲットに合った距離感を計画することが重要です。
カウンター席の魅力の一つは、調理風景や接客を間近で体験できるライブ感にあります。
例えば、オープンキッチンを採用することで、料理が完成する過程やスタッフの所作を見せることができ、店舗ならではの臨場感を演出しやすくなります。
一方で、業態によっては騒がしさや落ち着きのなさに繋がる場合もあるため注意が必要です。
照明や素材選びによっても空間の印象は大きく変わります。
活気を重視するのか、ゆったりと過ごせる空間を目指すのかなど、「どのような時間を提供したいか」を基準に設計することが求められます。
カウンターデザインでは、見た目の印象だけでなく営業のしやすさも考慮する必要があります。
デザイン性を優先しすぎると、スタッフの移動距離が長くなったり、配膳や片付けがしにくくなったりする場合があります。
こうした課題は、接客品質や業務効率の低下に繋がる可能性があります。
そのため、収納計画や設備配置、スタッフ動線まで含めて検討し、実際の営業シーンを想定した設計を行うことが重要です。
顧客にとっての居心地の良さと、スタッフにとっての働きやすさを両立することで、店舗全体の満足度向上に繋がります。
飲食店において、顧客が再来店を決める理由は料理やサービスだけではありません。
店内で過ごした時間や居心地の良さ、店舗の雰囲気といった体験全体が印象として残り、「また来たい」という気持ちに繋がることがあります。
特にカウンターは、顧客と店舗との距離が最も近くなる場所です。
そのため、空間づくりや体験設計において重要な役割を担っています。
近年は、料理だけでなく店舗空間の写真を見て来店を検討する顧客も増えています。
そのため、カウンター自体が店舗の象徴として機能するケースも少なくありません。
素材や照明、ディスプレイにこだわることで、店舗の世界観を視覚的に伝えやすくなります。
また、昼と夜では照明環境や見え方が変わるため、それぞれの時間帯でどのような印象を与えるかまで考慮することが重要です。
カウンター席では、料理を提供するだけでなく、調理風景やスタッフとのコミュニケーションそのものが価値になることがあります。
例えば、職人の所作や盛り付けの様子を目の前で見られることは、テーブル席では得られない体験の一つです。
また、スタッフとの自然な会話が店舗への親近感や満足度に繋がるケースもあります。
こうした魅力を活かすためには、オープンキッチンやカウンター設計を連動させながら、顧客との接点を意識した空間づくりが必要不可欠です。
カウンターデザインでは、顧客にどのような時間を過ごしてほしいのかを明確にすることが重要です。
短時間利用を想定する店舗と、ゆっくり滞在してもらいたい店舗では、適した席間やカウンター形状、座席寸法が異なります。
また、客単価や業態によって求められる回転率も変わるため、一律に居心地の良さを追求することが最適とは限りません。
客単価や業態に応じて、回転率と居心地の最適なバランスを設計することが大切です。
ここでは、弊社の施工事例をご紹介します。

店内は木の素材感を活かしたカウンターを設け、落ち着きと上質感を感じられる空間を演出しています。
カウンター天板には存在感のある木材を採用し、素材そのものの表情を活かしながら店舗全体の印象を形成しました。

また、客席と厨房の距離を近づけることで、調理の様子やスタッフとのコミュニケーションを楽しめるレイアウトを計画しています。
ライブ感を感じられる一方で、席同士の間隔やカウンターの奥行きにも配慮し、食事や会話をゆったりと楽しめる距離感を確保しました。
照明は空間全体を落ち着いたトーンでまとめ、木材の質感が引き立つよう計画しています。
過度な装飾を加えず、素材や光によって雰囲気を演出することで、料理や接客体験が自然と際立つ空間を実現しました。

店内はグレーを基調とした落ち着きのある空間とし、素材や照明によって上質な雰囲気を演出しています。
カウンターには重厚感のある素材を採用し、空間全体の印象を引き締めるデザインとしました。
また、カウンターが空間の主役となるレイアウトとし、バーテンダーとの距離感や居心地にも配慮しています。
素材や色味を統一することで、空間全体に一体感を持たせました。
照明は必要な明るさを確保しながらも、落ち着きを感じられるよう計画し、素材の質感やボトルディスプレイが引き立つ環境を整えています。
カウンターと背面のデザインにも統一感を持たせることで、店舗全体で一貫した世界観を表現しました。
飲食店のカウンターは、店舗の印象や顧客体験を左右する重要な空間です。
一方で、デザイン性だけを重視すると、スタッフの動きづらさや業務効率の低下に繋がる場合もあります。
そのため、カウンターデザインを検討する際は、店舗コンセプトの表現と営業時の使いやすさの両方を考慮することが重要です。
飲食店では、「誰にどのような時間を提供したいのか」によって、求められる空間は大きく異なります。
重要なのは、コンセプトを言葉だけで終わらせるのではなく、カウンターの形状や素材、照明計画、席配置などへ具体的に落とし込めるかどうかです。
また、カウンター単体だけでなく、内装全体との統一感を持たせながら店舗の世界観を構築する視点も求められます。
カウンターデザインでは、顧客から見た印象だけでなく、スタッフが働きやすい環境を整えることも重要です。
例えば、スタッフ動線や配膳のしやすさ、収納計画などによって、日々の営業負荷は大きく変わります。
デザイン性を優先した結果、作業効率が低下してしまうと、接客品質や店舗運営にも影響を及ぼす可能性があります。
そのため、設計段階から実際の営業シーンを想定し、デザインと機能性のバランスを考慮することが大切です。
店舗づくりを進める際は、設計・施工だけでなく、運営面まで見据えて提案できるパートナーを選ぶことが重要と言えるでしょう。
飲食店のカウンターは、単なる客席や設備ではなく、店舗の世界観や顧客体験を形づくる重要な空間です。
業態やターゲットによって求められる役割は異なるため、デザイン性だけでなく、店舗コンセプトや運営スタイルまで踏まえた設計が求められます。
弊社では、オーナー様の想いやブランドコンセプトを丁寧に汲み取りながら、空間デザインへ落とし込むことを大切にしています。
また、店舗運営を見据えた動線計画や使い勝手にも配慮し、デザイン性と実用性の両立を目指したご提案を行っています。
カウンターを活かした店舗づくりや、飲食店の新規出店・リニューアルをご検討の際は、ぜひneroへご相談ください。
店舗デザイン・設計施工の株式会社nero
neroは、店舗・オフィス・住宅など多様な空間を対象に、企画設計から施工、ブランディング、販促・Web・SNSまで一貫して手掛ける空間プロデュース会社です。ブランドの世界観を空間に反映し、集客や繁盛店づくりを支援。社名には「信念を持ち社会貢献する」という想いが込められています。
この記事の監修者

中原 優介